研究会概要

研究会概要

本研究会は、空間情報技術をツールとして、流域レベルで発生する水に関連する環境問題、特に、生活排水や肥料の流出などによって引き起こされる河川水、河川環境、地下水、海洋水汚染、さらに水処理問題への理解を深め、他研究機関との連携もとりながら中部大学研究者および学生間の情報共有(研究室間、学部間)と研究の深化を図ることを目的とする。

私たちの生活や産業活動から排出される水は水質、また周辺環境にさまざまな影響を与えている。例えば第1次産業である農業と私たち自身の生活によっても汚染が幅広く進行している。窒素肥料は地下水へ硝酸体として溶脱、さらに地下水あるいは河川水から飲用されると人体内で亜硝酸となり健康被害を引き起こす。さらに養分が豊富な河川水は赤潮など海洋環境の引き金にもなっている。水処理においても莫大な資金、エネルギーの投下、汚泥の発生などの問題を抱え得る。空間情報技術、農業、土壌中の窒素動態、水流出シミュレーション、水処理、海洋汚染、健康、土地利用、地域計画といった分野をまたがる研究分野間での意見交換と情報共有、共同研究が必要であり、本研究会はそのプラットフォームとなる。このような問題は施肥量が大幅に増加している発展途上国においても深刻なものになりつつあり、本研究会で成果は今回対象とする流域(三河湾)を超えて重要な知見を与えるものと期待される。